2015年12月21日

メルジャーノフ教授の3回忌

2012年12月20日はメルジャーノフ教授の命日。
この日付をドイツ式に書くと、20.12.2012
不思議な数。
人類滅亡説が飛び交った2012年12月21日の前日でしたが、私はこの滅亡説が当たったような錯覚を起こしたものでした。

いつも教授からエネルギーを貰っていました。レッスンは知識を得るだけでなく、彼のもつ“気の力”を貰う場でした。滅茶苦茶怖いレッスンでしたけど、その裏にはいつも教授の愛がありましたから、耐えることができました。多分、あそこまで厳しく言われなければ、身につかなかったのでしょう。怒るという行為は、先生にとっても楽なことではありません。エネルギーの要ることです。彼はそれを惜しみなく生徒に与えて下さった。その愛の鞭を忘れることはありません。

今日、YouTubeのおかげで、若きヴィルトゥオーゾの姿を見ることができます。最近知った動画にスクリャービンのエチュードがありますが、ここには彼が駆使したテクニックと音楽が凝縮していて、私は原点に返る気がします。命日の今日、改めてメルジャーノフ教授に感謝しながら、彼の演奏を聴いています。


posted by 英代&フレンズ at 06:06| メルジャーノフ

2015年04月26日

催眠術

白ロシアの友人がFBにメルジャーノフ教授の若かれし頃の動画をシェアしてくれたおかげで、教授のその昔の演奏を初めて観ることができました。ラフマニノフの「楽興の時」作品16-4は録音は聴いたことがありましたし、レッスンも受けていましたけど、全曲を通して演奏を観るのは初めて!この動画は、かつて、初めての講習会で教授のエコノミックな動きで生まれる深い音楽にショックを受けた日の感動を如実に思い起してくれました。
そして今日、彼のこういった演奏を間近に聴き、演奏している姿を観ていた時代、私の演奏は大きく進歩した理由がはっきりとわかりました。彼は私にとっての催眠術者だったのです!
彼の演奏は文句なしに私の潜在意識に浸透し、彼が語る言葉はそれが簡単な言葉であっても特別な響きと力をもって私の心に入り込みました。言葉でメモすると当たり前のことで特別性を感じないことでも、彼が語るとその言葉の背後には計り知れない力が隠れていました。これが彼の秘密であり、彼にしかできない教授法だったのです。
伝統という言葉を嫌う人は多いかもしれませんが、人間は無意識に何かを受け継いでいるもの。どこかで見たもの、どこかで聞いたものに左右されるのが人間。とすると自分と馬の合う師に巡り会うとは、実に有難いことであり、恩恵そのものです。巡り会わせとは摩訶不思議なものであり、偉大なものだと痛感しています。




posted by 英代&フレンズ at 08:29| メルジャーノフ

2015年01月18日

何も知らない!

メルジャーノフ教授が、「歳を取ると、自分がいかに何も知らないかがわかってくる」と仰っていましたが、その時は「えっ?」と首をかしげながら聞いていたものでした。
しかし、最近、学生時代から本で読んだり話に聞いたりして知っていると思っていたことの真髄が、実は何もわかっていなかったことに気づくこと、頻繁!知っていると勘違いしていることのなんと多いことか!

しかし、真髄はわからなくとも、まずは知っていくことが大切でしょう。「20歳までは身につけることに専念し、20歳を過ぎたらそれを世の中にお返しするように」、とよく言われます。20歳とはかなり年齢が低く、これは今の時代には当てはまらない気もしますが、何事も真髄とはお返しするようになって初めて見えてくるのでしょう。
そうして初めて自分で気づいたら、直していけばいいこと。「知らないことを恥ずかしがらなくていい。気づきなさい!」とメルジャーノフ教授は教えて下さっている気がします。
posted by 英代&フレンズ at 19:42| メルジャーノフ